注意すべき子どもの習癖・習慣について
普段、子どもが何気なく見せる仕草や癖なども、実は歯や歯並び、顎の骨の発育に悪影響をもたらしていることがあります。今回はそんな注意すべき子どもの悪習癖や悪習慣についてかんたんに解説します。
▼指しゃぶりにご注意ください
指しゃぶりは多くの子どもに見られる癖であり、低年齢であればそれほど心配する必要はありません。お母さんのおっぱいを卒業してからしばらくは、口元が寂しくなるため、指しゃぶりで気持ちを紛らわせるのも良いでしょう。けれどもそれが3歳や4歳になっても続いている場合は要注意です。なぜなら、指しゃぶりは極めて多くのリスク・デメリットを伴う習癖だからです。
▼指しゃぶりを放置するとどうなる?
子どもの指しゃぶりを放置すると、次に挙げるようなリスクが生じます。
◎前歯が前方に傾く・突出する
指しゃぶりをしている時間や期間が長くなると、前歯が前方へと傾いてしまいます。その結果、出っ歯である上顎前突や上下顎前突を引き起こすのです。また、上下の前歯部の間にすき間が生じる開咬(かいこう)のリスクも上昇します。
◎口呼吸が促される
指しゃぶりの習慣が見られる子どもは、口呼吸であることも多いです。口呼吸とはいわゆる「お口ぽかん」の状態であり、口腔周囲筋が弛緩します。さらには、顎の骨の発育が悪くなり、歯列弓の狭窄などの異常をもたらします。
◎感染症にかかりやすくなる
口呼吸をしていると、お口の中や喉の奥が乾燥して細菌やウイルスに感染しやすくなります。ですから、指しゃぶりや口呼吸の習慣がある子どもは風邪を引きやすくなるのです。また、お口の2大疾患である虫歯や歯周病も細菌感染症であることを忘れてはいけません。
▼その他の注意すべき習癖・習慣
乳幼児期から学童期にかけては、その他、舌を前方に突き出す癖(=舌突出癖)や唇を噛む癖、頬杖をつく癖、片側だけで噛む癖などに注意しましょう。これらの習癖・習慣が続くと、指しゃぶりと同様、お子様のお口の発育に多大な悪影響がもたらされます。
▼まとめ
このように、子どもの時期には注意すべき習慣がたくさんありますので、何か気になる点が出てきたらお気軽に当院までご相談ください。子どもの習慣や習癖の種類によっては、早めに対処しなければならないものもあります。