乳歯列期に注意すべきこと・知っておくべきこと
子どもの歯だけが生えている時期を「乳歯列期」といいますが、大人の歯だけで構成される「永久歯列期」とは異なる点が多々あります。今回はそんな子どもの歯の時期に注意すべきことや知っておいた方が良いことについて詳しく解説します。
▼歯が生え始める時期・生えそろう時期
子どもの歯である乳歯は、下の前歯から生えてくるのが一般的です。だいたい生後6~8ヶ月、場合によっては1年くらいで生えてきますので、その点も踏まえながらお子さまのお口の中の変化を毎日観察してあげてください。そうして生えてきた乳歯は、3歳くらいになると生えそろいます。ただし、歯が生えてくる時期には個人差があり、乳歯列が完成するのが4歳くらいになることも珍しくありません。
▼乳歯の本数について
ご存じの方も多いかもしれませんが、大人の歯である永久歯は全部で28本生えてきます。上下の親知らずも合わせると32本になるので、かなりの数ですよね。一方、乳歯は全部で20本しか生えてきません。親知らずが生えてくることもありませんので注意しましょう。ただ、頻繁にではありませんが「過剰歯(かじょうし)」と呼ばれる余分な歯が生えてくることがあり、対応に困ってしまう保護者の方も少なくありません。
◎過剰歯とは
過剰歯とは、文字通り“過剰”な歯であり、本来生えてくるはずの20本には含まれません。ですから、乳歯列期に20本以上の歯が生えてきた場合は過剰歯が疑われます。過剰歯は形がいびつであったり、色がおかしかったりするので、比較的発見しやすいです。大人の歯が生えてくるのを邪魔するようであれば、適切な時期に抜歯することになります。
▼乳歯列のすき間について
歯と歯の間に不自然なすき間がある状態を「空隙歯列(くうげきしれつ)」と呼びます。一般的には“すきっ歯”と呼ばれる症状で、見た目が良くないだけでなく、歯と歯の間に食べかすが詰まりやすいなどのデメリットがあります。実は乳歯列期にはそうしたすきっ歯の症状が認められやすいのですが、異常ではないことの方が多いです。というのも乳歯は永久歯よりも本数が少なく、歯のサイズも小さいですよね。ですから、次に生えてくる永久歯の分のスペースが余っていることから、自然とすきっ歯の症状も現れやすくなっているのです。
▼混合歯列への移行時期について
子どもの歯と大人の歯が混在する「混合歯列期」は、6歳くらいから始まるのが一般的です。初めに生えてくる第一大臼歯が「6歳臼歯」と呼ばれており、比較的覚えやすいかと思います。7歳や8歳になっても乳歯列のままだとさすがに何らかの異常が疑われますので、一度、当院までご相談ください。大人の歯が生えてくるのを何かが邪魔をしているか、そもそも大人の歯が歯茎の中に存在していないのかもしれません。もちろん、乳歯と同様、永久歯の生えてくる時期も個人差があり、7~8歳で乳歯列のままであったとしても正常である場合があります。そこではレントゲン撮影などを行って精密に診断しなければわかりません。
▼まとめ
今回は、乳歯列期に注意すべきことを解説しました。乳歯について他にも気になることがあれば、いつでもママとこどものはいしゃさん三木院までご相談ください。